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林檎に牙を:全5種類
無防備な素肌は季節の変わり目に敏感である。
例えば蛇口の水を浴びた手だったり、板張りの床に踏み出した裸足だったり。
夏は心地良くとも冬になると厳しいものになる。
容赦なく体温を奪い去り、しばらくすれば芯まで冷えて真っ赤。

そうやって四季を過ごしてきた家だった。
懐かしい場所なのに今となっては、何処か固く感じるくらい。


「叔父さん、こんなとこで何してんの?」
「宴会が億劫なのは分かりますけど、一人で勝手に行かないで下さいよ。」

そこに向けられる丸い目と吊り目。
正月の清浄な空気に満ちる縁側、小柄な甥達の影が落ちた。
日向に居ると、二つ並んだ褐色の頭はもはや眩しいくらいの明るさ。

呼び掛けられた肇は思わず切れ長の目を細めた。
同じく陽射しを浴びていた身だが、此方は烏の濡れ羽と云った黒髪。
クールビューティと評判の冷たく硬い色男だ。
幾ら暖かくとも溶けやしないが、表情は少しだけ物憂げな緩み方。



盆と正月は親戚が集まる機会。
しかし庄子家ではせいぜい姉二人の家族と弟が顔を出す程度だった。
他の血縁者が飛行機の距離なので仕方あるまい。

ご馳走と酒で居間の方は実に賑やか。
明るく軽快に喋り、盛り上げ上手の父が居るのだから当然でもある。
容姿も性格も母親似の肇にはあまり合わない。
脚本家の息子として、受け継いだのは文系の才能くらいか。


肇にとって酒は静かに楽しむ物。
確かに一人で居たのは宴会が苦手と云うか、感傷に浸っていたと云うか。

高校までなので、実家に身を置いていたのは人生の約半分。
姉が結婚して義兄が婿養子になり、甥の公晴が生まれ、自分も大学進学で家を出た。
海外にも行っていた事があり、隣街に住み始めたのはほんの数年前の事。


現在、肇の部屋はすっかり公晴の物である。
移動しても居場所が無いので一人になれる所なら何処でも良かった。

試しに、床も冷え切った真冬に靴下を脱いでの裸足。
実家らしく縁側で膝を崩してみた。
幼い頃、夏に聴いた風鈴や冬に雪の庭を眺めていた記憶を手繰り寄せながら。

当時に戻りたくなった訳でも、また此処で暮らしたい訳でもない。
ただ、忘れていた実家の匂いに酒が回ってきて妙な気分。


「……お年玉でもやろうか。」

ゆっくり振り返って甥達と向かい合い、何となく数秒の間。
無言を破って肇の口から出たのはそんな言葉。

「え、叔父さんの分ならさっき貰ったでしょ。」
「酔ってるんじゃないかな……」

公晴が首を傾げれば、隣の悠輝も眉を顰める。
宴会場にも酔っ払いだらけなのだ。
呑めない者からすれば「これだから大人は仕方ない」と言いたげな様子。

肇にだって分かっている。
酒は口にしたが、意識も記憶も本当は平常。


そうして懐から取り出した「お年玉」の正体。
軽く投げて寄越したら、片手を伸ばした公晴はうまく空中で捕らえる。
ああ、しまった、運動神経の差を忘れていた。
取り損ねた悠輝は慌てて二歩ほど下がり、危うく尻餅未遂。

そんなに大した物ではないのだけど。


「わーい飴玉だー。」
「叔父さん、からかうのもいい加減にして下さいよ。」
「子供にはそれで充分だ。」

当然、二度も金銭を渡すほど肇は太っ腹ではない。

食べ物が何より嬉しい公晴と、冷めた目で睨む悠輝。
怒っている訳ではなく失態を見られたのが恥ずかしいだけ。
対照的な二人の反応に、肇も細く笑った。

彼らが生まれたのはまだ高校生だった頃。
その赤ん坊も当時の肇と同じくらいまで育ったのだから、自分も年を取る筈だ。
離れていた時期も長かっただけ成長は急速なものに感じてしまう。
背は小さいままでも、少女のような顔立ちをしていても。


大人らしく余裕を見せてから、肇も包み紙を破く。
氷の欠片によく似た薄荷飴。
桃味が一番好みなのだが、今は此れが必要。

口へ放れば、たちまち冷たくなる舌。
ぬるま湯に浸っていたような気持ちと身体を凛と引き締めて。

さよなら、おかえり。

この家で肇はもう”お客様”の身なのだと。
過ぎ去った日々に別れを告げる。



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2018.01.02 
林檎に牙を:全5種類
あの本で待ってる

ページを開いて、世界を広げて
そう遠くない昔話
ずっと此処に居るから、待ってるから

たとえ淡い幻だったとしても、忘れないで

  


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2018.01.02 
林檎に牙を:全5種類
お菓子の始まりは、ボールにたっぷりのバターと砂糖。
力一杯に掻き混ぜれば白いクリーム、溶いた卵が加わればふわふわ。

そして特別な日を祝うならただ甘ったるいだけじゃ物足りない。
ジンジャー、シナモン、ナツメグの量は慎重に。
昔、スパイスは魔法の材料だったと云う。
一匙ずつ振れば、少しだけ魔法使いの気分を味わう。



「なぁ、今日は何作ってきた?」
「白ちゃん、良い鼻を持ってるね。」

その前に「おはよう」の挨拶だろうに。
朝一で白部に呼び留められて、伊東は思わず笑ってしまった。

12月の朝、始業チャイムを前にした教室はまだエアコンが動き始めたばかり。
一晩掛けてよく冷えていた空気を温めるには時間が必要。
そんな中でも嗅ぎ当てられたらしい。
姿は隠されていようと、微かに混じった焼き菓子の香り。

それに愛用の赤いパーカーは暖かいが、スパイスも吸い込んでいたようだ。
首元を防御するフードに鼻先を埋めてみると伊東も納得した。


食べ物を狙う時、白部の尖った目はさながら狼。
良識は弁えているので他者から無理に奪うなんてしないけれど。
童話の悪役じゃあるまいし。

そもそも、最初からそんな必要など無いのだ。
好きで与えるのは伊東の方から。

こうして今日も大人しくお菓子の袋は白部の手へと渡った。
普通よりも浅黒い色の人形や動物の型。
真っ白なアイシングで描かれた顔やボタンがよく映える。
開封されれば、もっと強くなったスパイスの存在。

クリスマスで定番の一つに数えられる、ジンジャークッキー。


料理部の活動は週に一度と気楽なもの。
毎回、上級生が数人で話し合ってから何を作るか決める。
ただし同じ料理でもレシピは色々。
部活で取り組む前、実際にはどんな味か家で作ってみてからの採用。

部員達へ持って行く試食はまだあるので、白部に一袋くらい問題無し。
新生徒会長に決まったばかりで伊東も忙しいのだが。
部活も責任があるのだ、お菓子作りは気分転換になるからと引き受けた。

人形や動物のクッキーはメルヘンチックな愛らしさ。
アイシングを絞って模様をつけるのも、きっと楽しめるだろう。


寄せ合った机に広がるクッキーに、ペットボトルのカフェラテ。
授業が始まるまで残すところ10分。
お茶の時間としては短く、あまり優雅にとはいくまい。
それでも昼食まで待つなんて出来やしないのだ、白部には。

まず一つ、摘ままれるクッキーの坊や。
狼に噛み付かれれば、乾いた音で折れて頭と胴が真っ二つ。

「甘いんだか辛いんだか、何か不思議な感じの味だな。」
「美味しいって言ってよぉ……」

クッキーの肌が浅黒いのもスパイスの所為。
辛さが効いている分、甘いアイシングとのコントラストが舌にも鮮やか。
お供にはミルキーな飲み物がよく合う。

アイシングの層で厚い分、少し硬めのクッキーは噛み応えがある。
ゆっくりする間は無い筈なのに一枚ずつ味わって、朝の一時。


悪役が似合う外見の白部だが、これでも可愛い物好き。
猫のクッキーを翳すと、確かに頬が緩んだ。
しかし口に運ぶ様子は無し。
歯を立てれば崩れてしまうので、早く食べたい気持ちと葛藤もあるのだろう。

「ね、要らないならボクが貰うけど。」

少し意地悪をしてみたくて、伊東が横から手を伸ばす。
笑いを堪えた素知らぬ顔は此方も役者。


そうして指先を掛けた瞬間、阻まれた。

慌て半分で白部にクッキーごと包んで握られた手。
ああ、ある意味とても情熱的。
そんなに強く掴まれたら割れてしまうのに。

「オレに、くれたんだろ?」
「そんな必死にならなくても。」

スパイスの香り立つ唇。
牙を見せ、もう虜になって欲しがる。

魔法は確かに効いていた。

白部の方から離れたりしないように。
その為なら、昔から幾らでも与えてきたのだから。


今日も赤を纏っていようと、伊東はサンタクロースでない。

赤ずきんだっていつまでも少女でいられないのだ。
成長して、知恵を付けて、魔法を覚える事も。

合わせた掌の熱で溶けかけたアイシング。
真白を舐め取って、魔法使いは飽くまでも無邪気な表情。
疚しい物は全部甘さの下に隠して。



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2017.12.24 
林檎に牙を:全5種類
「さよなら三角、また来て四角……」
「四角は豆腐、豆腐は白い。」

無意識だった歌は独り言として唇から零れていたらしい。
続きは何でもない空気で神尾に拾われる。
大袈裟だがまさか思いもよらず、繋げられると気恥ずかしさは尚更。
小さく笑ってしまった遼二は俯いて顔を隠した。

息を合わせる必要なんて無いのに、恋人でもあるまいし。


紅玉駅ビルは数多くの店や人で賑わう。
寄り道に最適なファストフード店、一角のテーブル席ではお茶の時間。
紙コップとジャンクなスイーツでは優雅さと程遠いが。
男子高校生ではこんなもので充分か。

むしろ、これでも今日は特別だ。
いつもなら秘密基地に持ち寄りの品でだらだら済ませるところ。
此処に寄った理由は目当ての物があって。

「ところで急にどうしたの、さっきの。」
「いえ、昔CMで歌ってたなと。」

遼二が指先だけで器用に開いてみせた、油の滲んだ紙ケース。
今年も限定発売の三角チョコパイ。
寒さは苦手でも、此れを食べに行く事が冬の楽しみ。

注文で迷いがちな黒と白。
二人分なので今日は両方ともテーブルに並んだ。


別に、パイを食べるだけなら一人でも良かったのだけれど。
神尾とは二人きりでもデートではない、決して。
単に劇団稽古前の腹ごなしで着いて来ただけ。

音楽準備室の外では飽くまでも友人として、指一本触れないまま。
共に過ごす時間が増えていく事自体は絆されそうな危機感がありつつも。


いや、無駄な事に思考を巡らせている場合ではなかった。
折角お茶の時間だと云うのに。
こんな妙な気分を味わう為などではない。
気を取り直して、まずは黒い三角形に遼二が歯を立てる。

一口齧ればパイが崩れた鳴き声。
幾重にもなる層に、熱々のチョコレートが流れ出した。
濃厚で粘り気のある甘味が舌を灼く。


「おれ初めて食べた、すごく甘い。」
「チョコですからね。」

神尾も白の三角形を頬張り、零れたチョコレートを舐める。
初めての味は予想外に甘かったようで、少しだけ驚いた目をしていた。

明らかに高カロリーなので一口で参ってしまう者も居るだろう。
遼二からすれば中毒になりそうな味だが。
歯科医の親を持つので甘い物を制限されて育った子供。
今でこそ自由に食べられるからこそ、こうして反動は確かに現れていた。

身にならないからと調子に乗るのは厳禁。
しかし食べる量が多いので、涼しげな風貌の遼二も食事時は年相応に少年らしい。
そう見えるのは、神尾が向かいに居るだけ色濃く対比。


神尾の唇に纏わり付く、細かなパイの欠片。
剥がれれば舞い落ちる白雪。

美しい顔立ちをしているだけ、こんな仕草すら様になる。
遼二もそれなりに整ってはいるが種類が違う。
黙っていると神尾はまるで端正に作り上げられた人形じみているのだ。
それだけに、物を食うとやはり生き物かと納得する。


「早未はあんまり好きな物言わないから、今日は珍しいね。」
「……そうですか?」

取り止めの無い会話、若しくは重くない沈黙。
春からの付き合いで二人の間に流れていたのはそんな空気だった。
相手の事などよくは知らないまま。

かと云って、わざわざ交換するような情報なんてあっただろうか。

チョコパイも今日は成り行き、好きだとか教える程の事でも。
思い出やそういった物だって特にない。
ただ毎年欠かさずに食べていたから、半分は義務感でもあり。


「僕だって神尾の好きな物とかよく知りませんけど。」
「ん、知りたい?」
「いえ、別に……そう云う訳でも。」
「おれは早未と過ごすの好きだけどね。」

ああ、力加減を間違えた。
腹を押してしまったパイからチョコレートが溢れ出す。


時折、こうして口説く台詞を混ぜてくる。
踏み込まれたら困るくせに。
神尾からすれば無意識だからこそ何でもない顔なのだろうけれど。
動揺してしまった遼二の方が変ではないか。

苛立ちを隠して、チョコレートを味わう。
ベタつくものの甘さで気を落ち着けるには丁度良い。


「……神尾のそういう所は好きじゃないです、僕。」
「どういう所?」

説明してやるなんて面倒の極み。
遼二が答える訳もなく、パイの残りを口に詰め込んだ。

チープなトレイに点々と散った、黒と白の雫。
それぞれ色で違うチョコレートの香りは誘惑によく似ている。
裏表なんて知りたくもない。

触れたら最後、きっと指先から泥沼への始まりだから。



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2017.12.16 
林檎に牙を:全5種類
ささくれた唇を合わせれば互いに棘を刺す。
甘い空気を味わいたかっただけなのに、そこから生まれるものは。

「あーぁ……」
「何なん、退屈そうに。」

思わず嵐山が零した声は、色気どころか食傷気味の響き。
梅丸としては心配にもなるだろう。
別に飽きた訳ではないし、原因は違うところにあるのだけれど。

キスに血の味が絡むようになると、冬の足音が聴こえた気がする。
また苦手な季節が巡って来てしまった実感。


二度目のシャワーを浴びたら、深夜の空気はすっかり穏やかになっていた。
情欲なんて散々吐き出して、汗と一緒に流れた後。
満腹になれば食べ物の事をあまり考えられないのと同じである。

もう肌寒い季節、贅沢に暖房を効かせた部屋で浴衣姿。
紅茶とお菓子を添えての夜更し。


色白で中性的な嵐山に、滲んだ紅はよく映える。
情交の最中でもお馴染なので吸血鬼のように舐め取ってみる様もまた。
しかし、痛みは走らない。
どうやら唇を切ってしまったのは梅丸の方か。

「沁みるなら何か塗っとけば?」
「いや、俺がリップとか持ってる訳ねぇべ。」

男はリップクリームなんてあまり塗らない。
ケアしないので乾燥に弱いのは尚更。

梅丸も手の甲で傷を拭うだけで、至って無造作な後処理。
嵐山からすれば相手の血を舐めるのは性癖の一つ。
治療代わりで自分が舌を這わせても良いのにとすら思いつつ、何もせず。


視線は外さないまま、カップの紅茶を一口。
ノンカフェインのアップルティーは甘い香りで舌にも優しい。

梅丸の分も渡すのは却って意地悪になってしまうか。
冷めているなら傷を洗い流すには丁度良いが、まだ湯気の立つ温度。
刺激が強くては痛みも増すだけ。

そうかと思いきや。

「俺も欲しい。」

此方が気を遣ったと云うのに馬鹿じゃないだろうか。
梅丸に呆れた目を向けつつも、トレイごと押し付けてやった。
もう沁みても知らない意思表示。
中で魚でも跳ねたかのように、カップの水面が一つ揺れる。


しかし、梅丸が欲しかったのは紅茶でなかったらしい。
カップを素通りした手は蜂蜜の瓶へ。

フレーバーティーは甘い方が美味い。
それに林檎にはよく合うからと、砂糖よりも蜂蜜を添える。
固い蓋を開ければ透き通った琥珀色。
華奢なスプーンの先を受け入れて、ゆっくりと沈む。


スプーンに口を付ける訳にもいかず、骨張った指で掬い取ってから。
這うような粘度で垂れる蜂蜜の雫。

単に食べ方が下手なのか、甘い物が好きだからと欲張ってか。
梅丸が唇全体で味わう様は何だか子供じみていた。
蜂蜜くらいで喜ぶなんて安上がりな事だ。
笑ってやりたいところなのに、同時に艶っぽくもあって目が離せず。


「ユウも要るか?」

まだ指先に纏わり付く蜜。
零れ落ちそうになって、嵐山は伸ばした舌で受け止めた。

ブランケットの下で温められていた梅丸の片手はしっとり汗ばんでいる。
そちらで触れられると、痺れに似た感覚。
頬が冷たくなっていた事に初めて気付かされた。

自分よりも硬い指先に舌を絡ませれば、不似合いにも甘い味。
単に蜂蜜の所為と知りながらも妙な感じだった。


「……もう良いよ、喉渇いたし。」

おしゃぶりを離して、戯れは程々で終了。

こうした餌付けの習慣はいつからか染みついてしまったもの。
別の意味でも甘すぎて口腔が気怠いくらいだ。
今更、色気なんて要らないと云うのに。


「ところで灯也、お茶欲しかったんじゃないの?」
「いや、蜂蜜だけで良い。傷に効くって本で読んだんさ。」
「僕は今のでお茶もう一杯欲しくなったよ……、ポットだけ返せ。」
「ん、蜂蜜入れるか?喉にも良いから。」

やたらと蜂蜜を勧めてくるのは何なのだろう。
そんな事しなくても、使うからお茶のトレイに載せたのに。

疲労ならお互い様、受け入れた後なので梅丸は身体にも多少の痛み。
それも素直に啼いて声を嗄らすなら可愛らしいものを。
いつだって耐える為に低く唸るばかり。
蜂蜜で喉を労わったりする必要なんてあるんだか。


ポータブルDVDプレイヤーの画面には、見飽きてしまった映画。
気付かぬうちにエンドロールを迎えたって惜しくもない。

両者ともに映画の内容に触れもせず。
投げ掛けても横目程度。
何となく、物語に意識を裂いてしまうのは勿体なくて。

それで良い。

夜の時間は、スプーンから流れ落ちる蜂蜜と同じ緩やかさ。
絡み付く甘さを持ちつつも一匙で充分。



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2017.12.01