林檎に牙を:全5種類
突き出た棒のような手足は、幼さを残しても伸びやかに。
ただ薄いだけだった身体は引き締まり、小さく膨らみも帯びてきた。
少女の成長は早い、
クロスを軽く追い越して、置いていくほど。

「老けたわよねぇ、クロって。」
「…………あァ?」
「写真出てきたから、私が人魚始めた頃の。」
「ああ、俺ら写ってンな確かに……30代にもなりゃ当たり前だろ。」
「相変わらず白髪は無いけど。」
「髪引っ掻き回すンじゃねェよ、やめろ、リンファ。」

こんなものは馴れ合いにしか過ぎない。
触れられる事も触れる事も、覚えてしまったのはクロスの所為。
だけど教えたのは彼ではない。
「子供だから」と大きな理由が、唇を重ねる事も考えさせず共にしてきた年月。
其れは少しずつ意味を成さなくなって、それでもまだ継続していく。
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2012.01.28