林檎に牙を:全5種類
零れるように一日は過ぎて、手で掬う間も無いくらい。
6歳と云う遊び盛り、アイヴィにとってベッドに入る時間は早過ぎる。
母さんに怒られる前に、急ぎ足でシーツへ潜って。

毛布を掛けてくれたガーベラが、枕元で開く本には毎晩ドキドキする。
船で海を渡ったり、砂漠を旅したり……
年上の従姉は、本の中の色々な場所に連れて行ってくれた。
優しい語りが瞼を重くする。

「眠い?」
「うん、ガーベラおやすみ……またね。」

明日は今日の延長であって、
これからもずっと続くと思っていた、あまりに幼かった日々。



*「穏やかな日々に10のお題」より。
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2012.01.28