林檎に牙を:全5種類
図書館ではお静かに、なんて眠れと言ってるような物じゃないかと思う。
午後の窓から陽光は優しく暖かく、居心地の良い空間。
椅子に隣同士、珍しくもリンファはカルロの肩で寝入っている。

本を開いて暫くしてから、いつも眠気を引き摺るリンファの瞳は更に。
疲れもあるのか、緩やかな寝息を立て始めた。
椅子から落ちそうだったので、肩を貸して此の体勢。
顔を合わせた時には、後を追って来たのではとカルロを訝しんでいたくせに。

此処で逢ったのは偶然なのだが。
確かに、休日の彼女が図書館によく来るのは知っていたものの。
計っただって?如何でも良いでしょう?

身動ぎしたリンファの涼やかに甘いトワレと、自分の深い緑のトワレ。
触れ合う部分から香りは溶けて、柔らかく。
隙だらけの、息が詰まりそうなほど穏やかな時。

既に読み終わった一冊を再び最初から。



*「穏やかな日々に10のお題」より。
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2012.01.28